ポメラでPC-98エミュレータ(np2)を動かす
はじめに
ポメラのLinux上でPC-98エミュレータ np2を動作させてみる。Linuxが動作しているのでその上でnp2をビルド、実行出来るわけだがあまり実施例を見かけないので動作事例として記載する。
動作環境
・ポメラ実機:DM200
最新機種DM250ではなくその一つ前のモデル。ポメラ用のLinux環境はこちらから。
・使用したPC-98エミュレータ:NP2kai
本家np2に対して各種カスタマイズを取り込んだ版。今回、ポメラ上で実行するにあたり、SDL1版、SDL2版をビルドしたがこれらのMakefileやドキュメントが揃っていたため使用させていただいた。使用したバージョンはrev.22。ソース、ビルド方法はこちら。
・実施したパターン
SDL2:X Windowシステム上で実行可能
SDL1:X Windowシステムなしで実行可能
実行画面例
・SDL2版)X Windowシステム上で実行可能
動作速度は286 10MHz程度で実行したがやや動作が重たい印象。
・SDL1版)X Windowシステムなしで実行可能
動作速度は286 10MHz程度ならあまり違和感無い。拡大して全画面表示になる模様。X Windowで実行した場合(ウィンドウ表示でドットバイドット)のくっきりした表示も良いが、全画面で大きく表示されるのも嬉しい。画面解像度が1024×600のためPC-98の解像度(640×400)とアスペクト比がやや異なるがそれほど違和感なし。また、メニュー表示がちらつくがSDL環境の見直しで改善するかも?また、カーソルキーの左が効きづらい(ほぼ入力できない)。Linuxの操作や上記SDL2版では発生していない。改善の余地がありそう。
(2024.12.21追記)使用したSDLバージョンはSDL-1.2.15-raspberrypi
・余談)Brainとの比較
ポメラはキーボードサイズを確保してあるためその分本体サイズが大きく、画面も大きいが、ドットバイドット表示した際には描画サイズはBrainとほぼ同じ。
・余談)np2オプションでLCDモード(反転)してみた例
ポメラはテキストメモ端末としては白黒表示だが、実際はカラー液晶を搭載しており、Linuxでカラー表示が可能。それをあえて全画面で白黒表示にすることで白黒の98ノートっぽい雰囲気になる。画面のベゼルが大きいためか本体デザインはややレトロな印象もあるのでそれともマッチしている気がする。
補足:USBハブ、音源について
メニュー表示がマウスの真ん中ボタン(スクロールホイール)押下のため(F11でもメニュー表示出来るはずだがポメラ内蔵キーボードにF11キーがない)、マウスがあると使いやすい。マウスの接続のためにはUSBハブが必要だがその際、給電できるようにOTG対応のハブを用いる。使用したのはRUH-OTGU4+C。また、ポメラには音源が搭載されていないので98エミュレータ等で音を鳴らしたい場合はハブにUSB音源を接続する。せっかくコンパクトな実機で動作させるわけなので今回はUSB音源+BTトランスミッター機能のあるUSBオーディオトランスミッターを使用した。